わらびのあく抜き
(この記事は過去にTwitterにて投稿したものです)
ワラビ(Pteridium aquilinum)
今の時期空き地や土手、スキー場などの開けた草地にニョキニョキ生えてくるやつです
有名な春の山菜ですが世界各地に生えるコスモポリタン種で、最も成功したシダ植物と言われることもあるそうです
わらびは毒性がありますが、アク抜きでほぼ消えるらしいので重曹を使ってアク抜きしていきます
一番左のシダはこないだアク抜きに失敗したイヌガンソクです、鰹節みたいな鱗片葉はこすったら簡単に取れたので綺麗に取り除いて一緒にアク抜きしてみます
荒熱を取って重曹を入れたお湯に浸して一晩置いておきます…今度はしっかり重曹も量って入れました…
てかわらびのうぶ毛が浮いてきた…これも取ればよかったかな…でもまあ別に大した食感に影響はないでしょ←
8時間程度で引き上げて今は水にさらしてあります、アク抜きするとわらびは色が濃くなりますけどイヌガンソクは薄くなりました…こうやって比べると全くの別物ですね…
アクが抜けたっぽいので味見してみました、
わらびの方は完全に苦味が抜けており、サクサクしててぬめりのある食感とわらび特有の香りがあって美味しいです…
一方のイヌガンソクは苦味が若干残っています…このくらいの苦味なら山菜としては許容範囲ですが、苦味以外の味や風味が全くありません…
わらびの方は特有の食感や香り、若干の甘みなども感じるので食べてて美味しいですがイヌガンソクの方はとにかく全く味がしないのです…食感は硬めでサクサクしてるのでタレにつけこんだら食べれるような気もしますが、そこまでするならわざわざイヌガンソクである必要も無いような気もします…
[総合]
苦味や毒性のあるわらびが食べられてて同じく苦味のあるイヌガンソクが食べられてない理由がなんとなくわかったような気がします…やっぱり味は大事ですね…
味が美味しければ毒は性質によってはなんとでも出来ますけど味がしないのはどうしようもありませんもんね…
調べるとオシダみたいな一般には食べられてないシダ植物の味の感想も似たような感じですね…少し苦味がある以外は特別まずくも無いけどわざわざ取って食べたくなるほど美味しくも無いっていう…
てか味のしないシダって茹でると色抜けるの多くないですか…?気のせいかな…?
イヌガンソクの試食
(この記事は過去にTwitterにて投稿したものです)
イヌガンソク(Pentarhizidium orientale)
日当たりの悪い所によく生えてて、黒っぽい胞子葉が特徴的な大きなシダです
全くもって食毒は不明ですが今のところ死亡例はないっぽいのでアク抜きして食べてみようと思います
実は昨日のうちからわらびと同じように重曹で茹でてそのまま冷ましていたのですがかなりアクは強そうです…茹でただけの時にかじったら強い苦味を感じたのですが冷ましてくうちに苦味はだいぶ消えました
ですがなんか薬っぽい風味がします…この後さらに冷水にさらしてしばらく置いてみようと思います
ちょっとかじってみて大丈夫そうなのでおひたしにして食べてみました、
苦味も薬っぽい風味も完全に無くなってますが、味も食感も無くなってしまってます…ちょっと重曹の量が多過ぎたのかアクを抜き過ぎてしまったみたいでただの味のしないふにゃふにゃの物体になってしまいました…
ですが苦味や変な風味がアク抜きで抜けるって事がわかったのは収穫です!今度収穫してきた時ははわらびのアク抜き方法でわらびと同じようにアク抜きして味を比べてみたいです
わらびのアク抜きの時には本当は茹でずにお湯をかけて冷ましていくんですよね…イヌガンソクは毒性が未知数なのとなんか硬そうだったので最初に茹でたって事が柔らか過ぎた原因ですね…
今度はちゃんと荒熱を取ったお湯をかけて落とし蓋で冷まします←
ニリンソウのおひたし
(この記事は過去にTwitterにて投稿したものです)
ニリンソウ(Anemone flaccida)
春の林床に咲いて夏頃には枯れるスプリングエフェメラル的な生態の花で、毒草の多いキンポウゲ科では数少ない美味しく食べられる山菜の一つです
色や形には個体差が大きく今回採りに行った所では紫の強い個体もありました
ニリンソウは根茎で増えて、かつ葉を複数枚出すので葉を数枚しか出さない物も多いスプリングエフェメラルの中では比較的再生力のある方ですが、採る際は重なった葉を間引く感じで株全体の2〜3割に留めておくのが良さそうです
あとニリンソウを採る時忘れてはいけないのがトリカブト類がよく近くに生えてるって事です、写真では真ん中以外は全てエゾトリカブト(Aconitum yesoense)です
エゾトリカブトはまだ見分けのつきやすい方ですが個体差もありますしオクトリカブト、レイジンソウなどはもっと似てるので注意が必要です…
確実に間違えないのは写真のように花や蕾の付いている総苞葉を採る事です、蕾付きの茎の方が根出葉より太めで食べ応えもあります
私はいつも葉っぱばかり採ってますが…←
今回はおひたしにしました、生で食べるとやや青臭い草の味がしますがアクはほぼ無いためさっと茹でるだけで食べられます
茹でたニリンソウはスーパーのホウレンソウより癖が無いです、紫の個体は茹でると色が抜けましたが、ほんのり甘みと旨みがあり少し海苔にも似た風味でめちゃくちゃ美味しいです…
ニリンソウには刺激性のあるプロトアネモニンや心臓毒のアネモニンが微量含まれるらしいですが、よほど大量に食べない限り死に至るような事はないと思われます…
美味しいですがトリカブトといい何かしらリスクはつきものですね…
[総合]
ニリンソウは野草の中でもとにかく癖が無いので色々な料理と合わせられそうです!
乾燥させるとより香りが強くなる上、某漫画の通り肉との相性もいいのでレンジで水分を飛ばしたものをちびちび使っていきます
ふと思ったけどニリンソウがトリカブトに似てるのってもしかして美味しいからって食べられ続けた結果トリカブト に似てるのが生き残ったとかそんなんじゃ無いよね…?
動物もトリカブトとニリンソウを見分けるのかな…?
あとニリンソウってなんで商業栽培されないんだろう…普通にスーパーに並んでもいいと思うんだけどな…
ミツバみたいに水耕栽培で大量に作れないかな…?うちの庭にあるのからちょっととってやってみようかな…
つくしご飯
(この記事は過去にTwitterにて投稿したものです)
スギナ(Equisetum arvense)
道端や川の土手によく生えてて、胞子茎のつくしは有名な春の風物詩です
よく雑草扱いされてますが地味に古生代が起源の古いグループの植物だったりもします
はかまを取ってさっと茹でます、つくしの茎の部分はそれほどアクもなく茹でて水にさらすだけで良いのですが、頭(胞子嚢穂)の部分は少し苦味が強いです
頭は重曹で茹でてアク抜きしますが、頭のアクが抜けるのに合わせていると茎がふにゃふにゃになってしまうので別々に茹でるのをオススメします
茹で上がればすぐに食べられますが、今回は炊き込みご飯にしたいので今はタレに漬け込んでいます
そういえば石炭紀には巨大なスギナの仲間が生えてたらしいけどスギナみたく胞子茎を別につけるタイプだったんだろうか…もしそうなら巨大つくしはたけのこみたいな感じかな…それもそれでうまそう…
スギナ(つくし)とアカザ(種子)の炊き込みおこわです、元は畑の強雑草ですが普通に美味しいです…
でもつくしは他の山菜と同じ感覚でごはんに混ぜて炊いてしまうとドロドロになってしまうので、炊き込みごはんとは言ってもつくしは炊き終えた後にまぜた方が良さげです
つくしが他の山菜に比べても溶けやすかったり栄養茎のスギナが持ってるプラントオパールもほぼないのって春先に胞子飛ばすだけだからそんなに耐久性なくていいって事なのかな…?
ふきのとうの天ぷら
(この記事は過去にTwitterにて投稿したものです)
アキタブキ(Petasites japonicus ssp. giganteus)
さむい地方によく生えてる傘にできるような大きな蕗です、
ふきのとうは北国だと一年で一番最初に収穫できる山菜なのでいつもこれを見かけては春の始まりを感じています…
蕗には雄株と雌株があるので、ふきのとうにも雄花と雌花があります
左のつぶつぶの蕾と星型の花弁が目立つクリーム色の花が雄花で、
右のブラシ状の雌しべが目立つ白い花が雌花です、
雌花は時期を過ぎるとニョキニョキ伸びますが、出てすぐの味は多分雌雄ではさほど変わらないと思います
ふきのとうといえば天ぷら!ってことで揚げました、味付けにシケレペ塩を使ったら油っこさが抑えられつつ、ふきのとうの香りを邪魔することなく美味しく纏まりました…
ですがふきのとうの毒性成分ペタシテニンは水に溶けやすいものの加熱では減らないらしいので天ぷらは味見程度が良さそうですね…
今回揚げたものは雌花の方が香りを強く感じましたが、雌雄の違いってよりは生えてた環境の違いによるものが大きいような気がします…雄花はうちの日陰に生えてて、かつやや窒素過多だったってのもあるかもしれません…
雌花を採る時に掘り抜いてしまった根茎を同じ所に植えて様子を見てみます…
ふきのとうたんです。春が終わると背伸び(物理)しちゃいます。
蕗に硫黄成分を肥料として与えると葉っぱが巨大化するって話をどこかで聞いた覚えがあるけど本当だろうか…?
キハダの試食
(この記事は過去にTwitterにて投稿したものです
キハダ(Phellodendron amurense)
森で秋から冬にかけて黒いつぶつぶの実をたくさんつけてる木です、果実はシケレペという呼び名で香辛料に使われるらしいので初冬に拾ってきて乾燥させてました
そのままかじるとほのかな甘みとともに強めの苦味とわずかな辛味があります、香りは金柑の皮と山椒と杉系の針葉樹の香りを混ぜたみたいな感じな気がしました…
見た目が黒胡椒っぽかったのでペッパーミルで挽いてみました…香りをより強く感じます…
さっぱりした香りなので揚げ物に合うのではと思い唐揚げにレモンならぬザンギにシケレペといってみました…
苦いです…でも香りはそれほど感じません…
どうすれば香りが引き立つかと考えてゆず塩のように塩と混ぜてみた所、苦味が抑えられて香りが引き立ちました!
これなら普通に香辛料として使えそうな気がします…体感としてはゆず塩よりもむしろ辛くない胡椒です…ほんのりピリ辛とほろ苦味、あととにかくさわやかな後味が揚げ物によく合います…
[総合]
ザンギにも合いましたが、なんだかこれは魚の天ぷらにかなり合うような気もしてきました…シケレペことキハダの木は個体差がかなり大きいらしく木によって風味や味が大きく違うそうなので、美味しい個体を探してみるのも面白いかもしれません…
また見かけたら拾ってきたいです…
銀杏タピオカ
(この記事は過去にTwitterにて投稿したものです)
ふと…大量の銀杏の使い道を考えていたら思いついた…
デンプンを抽出してタピオカにしたらいいのでは!?
キャッサバは毒…銀杏も毒…タピオカはもちもち…銀杏ももちもち…
デンプンを抽出する過程で4'-O-メチルピリドキシンが流れる可能性ありか…!?
準備が整ったので銀杏からデンプンを抽出してタピオカを作ってみます!
まずはひたすら銀杏の殻を割ります…デンプンを絞るだけなので薄皮は残っててもいいと思います…
とりあえず薄皮つき銀杏200g用意できました…
そのままミキサーにかけた後布で絞って分離します、柔らかいので一瞬でミックスされます…(三枚目は絞りかす)
この辺は普通に他の植物のデンプン抽出と同じですがミキサーにかけた途端物凄い青臭い匂いがします…外種皮の匂いでも茹でた銀杏の匂いでもない生銀杏の猛烈な匂いです…匂い落ちるかな…
あとは沈殿するのを待ちます、じゃがいもの場合は10分程度で沈殿しますが銀杏の絞り汁は色素がすごいので沈殿したかが分かりにくいです…なので気持ち長めに待ってみます…
3~4回上澄みを捨てたらデンプンが沈殿してるのが見えてきました…でも写真じゃわかりにくいですが沈殿したものにもうっすら色が付いています…あと何回水を変えても青臭い匂いがなかなか消えません…
銀杏の場合デンプン以外も残ってしまうものなのか…もう何回か水を変えてみます…
10回ほど上澄みを捨てては水を足すのを繰り返してほぼ上澄みは透明になりました、ですが相変わらず匂いと色は落ちません…あと若干油膜のようなものも…加熱すれば多分匂いは飛ぶと思うのでいいのですが毒性の心配もあるのであと1日くらいは水を変えつつ不純物を洗い流してみます
一日中水に浸しててやや匂いは薄くなったような気もしますが色は全く変わりません…もうこういうものなのかもしれません
もうちょっとしたら乾燥させて粉にしてみます
ただ今乾燥中です…
だいぶ乾燥してきました…完全に乾燥したらいよいよタピオカ作りです…果たしてどんな味になるか…
完全に乾燥したので銀杏デンプンからようやくタピオカを作れます!!!
200gの生銀杏から取れたデンプンは量ったら42gありました、じゃがいもより若干多い感じですかね…でも謎に色付き…
今回は20gちょっと使います…
まずはお湯を少しずつ加えながら練っていきます、思ったより水分を吸うのでネットで見たタピオカ粉に対するお湯よりも若干多めがいいかもしれません…
ちょっと水分が多すぎるような気もしますが一応手で転がせる程度の感触です、一つずつ丸めていきます…でもなんかちょっと生臭いような…
30分程中火で茹でます…
ダメだ…色と丸く作るのが下手なせいでタピオカに見えない…←
なんかアクみたいなの出てきた…???
だいたい茹で上がったっぽいので一粒食べてみました…
ものすごい弾力です…タピオカより食感は硬めです…最早もちもち感を通り越しててうどんみたいなコシがあります…ですが予想以上に生臭さは残ってしまいました…
一応冷水で締めます…
銀杏デンプンから作ったタピオカでタピります!
ですがあいにく私は紅茶が飲めないのでミルクコーヒーで…←
うおぉ…冷水で締めたからかますます食感が硬くなってます…本物の冷凍タピオカと食べ比べてますがここまで来ると最早別物ですね…
あとミルクコーヒーに入れたら臭いが紛れるかと思ったのですが全然そんなことはなかったです…
ぶっちゃけ甘い飲料には冷凍タピオカの方が合う…
もうここまで食感がうどんに近づいてしまったらいっその事うどんにするしか思いつかなくなってしまい…タピオカとして作った物体にホットな麺つゆをかけるという暴挙に出てしまいました…
うどんです…
麺つゆによく合います…
薬味のネギの力で臭みが気にならなくなりました…
冷やすとうどんとしても硬くなりすぎてしまったので温めなおしたら形以外は完全にうどんの、それもかなりコシの強めなやつになりました…
銀杏から作ったタピオカがうどん…なんだこれ…
少し調べたのですが、米などからデンプンを精製する際、芋類に比べてデンプンとタンパク質の結びつきが強いので水酸化ナトリウムみたいなアルカリ溶液につけてタンパク質を溶かすらしいです…
もしかしてうどんみたいな食感もタンパク質が原因なのか…
[総合]
どうやら穀物や種実類から純粋なデンプンを抽出するには薬品を使ったりとかなり面倒みたいですね…
混じりっけのない純粋な銀杏のデンプンにはすごく興味がありますが、知識や技術を身につけるまではおとなしくレンチン銀杏を食べてた方が良さそうです←